誰よりも面白くて魅力的な方だった。また会いたい人ってこういう人。
「花まる学習会」高濱先生が、社会で成功している魅力的な方々にインタビューする「高濱ナイト」に行ってきた。
今回のゲストは(株)ユーグレナの社長の出雲充さん。
出雲さんが登場されてすぐの紹介が「彼のいいところは、ふつ~うの家で育った所なんですよ。」と高濱先生。
多摩の普通のサラリーマン家庭で専業主婦のお母さんの下で育ったそうだ。
出雲さんの魅力は「探究心」と「集中力」。
高濱先生が、すぐ真横で呼んでも気が付かないくらい、囲碁に集中していたらしい。
では、どこでその「探究心」と「集中力」は培われたのか?
きっかけは小学校時代に「こちら葛飾区亀有公園前派出所」85巻に載っていた「ザリガニ合戦」というお話。
「ザリガニは儲かる!」と弟と一緒に近所の公園にザリガニ釣りに出かけたことから始まっていた。
内容紹介
近頃ザリガニ料理がブームで、1キロ700円でザリガニが売買されていると聞いた両さんは、早速千葉の田んぼにやって来た!名人ぶりを発揮して、バケツ4杯分も捕まえて寮に持ち帰るが…!?

こちら葛飾区亀有公園前派出所 85 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 秋本治
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/12/04
- メディア: Kindle版
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本には、「スルメ」をエサに山ほどのザリガニが捕れたと書いてあり、弟と2人でワクワクしながらザリガニ釣りに行ったが、スルメを見たザリガニ達は見向きもせず、全く釣れず、ここから「何で?」となり、とにかくいろんな「エサ」を付けて試してみたそうだ。
お菓子や、雪見大福、野菜や肉・・・それでも全く釣れず、途方に暮れたが、ある日「さけるチーズ」を付けた所、入れ食い状態で、どこにこんなにいたんだ!!というくらいのザリガニが釣れたというお話だった。
ここで出雲さんは、試行錯誤しながら次々にやってみるという事を学び、ザリガニとの対決で集中力も学んだ。
ついでに言うと、ここから「本に書いてある事は全部疑ってかかるようになった」との事。
「教科書に書いてある事の半分は嘘ですから」ともおっしゃっていた。
理科の教科書なんて、書いてある事をほとんど試したら、半分くらい条件によっては違う事もあり、正しくはなかったとおっしゃっていた。
いつも「本に書いてある事は疑いながら読め」というのは、数年前の高濱先生との対談で伺った、東大の柳川範之さんもおっしゃっていた。
柳川さんも変わった方で、独学で東大に入った方だ。
高濱先生の周りは魅力的な方で溢れている。
他に出雲さんのお話で面白かったエピソードは、「家の壁が汚れているから、小麦粉を塗って白く綺麗にしてあげよう!」と母の日に弟と2人でやってみたそうだ。
最初は粉を塗っていたが、その内水も混ぜて伸ばして壁に塗りたくり、遂には床にも粉を撒いて真っ白に仕上げ、わくわくしながら母の帰りを待つ。
「きっとお母さん喜ぶぞ~」
と帰ってきたお母さん。
「母の日だから家を綺麗にしたよ!」と伝える兄弟2人にお母さんは「ありがとう。お母さんうれしいわ・・・」と世にも悲しそうな顔で答えたというお話だった。
その後も、ため息をつきながら掃除していた姿を覚えているとおっしゃっていた。
自分だったらブチ切れるな・・・と思った。
子どもたちの気持ちを汲んで耐えてくださったこのお母さんはさすがだ。
出雲さん、6年生で「中学受験」をしたいと思い始め、塾に。
「塾の先生が面白くて、勉強が楽しかった」とおっしゃっていた。
この「塾が楽しかった!」というのは、「高濱ナイト」に登場する方々がいつもおっしゃっている言葉だ。
学校ではなく「塾」が面白くて、勉強好きになる。
ここでも「塾」選びは大切なんだな・・・と実感した。
6年生からの1年の勉強で私立に合格し、そのまま東大にも現役合格するあたりさすがだ。
東大を卒業して銀行に就職。
そこでお金を貯めて起業する予定だったが、うっかり銀行を辞めてしまったとおっしゃっていた。
東大に戻り、ミドリムシの研究に集中した。
全国の「ミドリムシ」の専門家に会いに行き、学閥の壁を越えて、ミドリムシの培養に成功されたそうだ。
これを成功させたのは、出雲さんのお人柄だろうな・・・というのがわかる。
とにかく面白い方だった。
久しぶりにいっぱい笑った。
今は理想の社会がない多様の世界。
本に「ミドリムシは培養できない。」と書かれていた。
でも、「何でもやってみる!」を貫き、成功させた。
この答えがない時代には何でもやってみた方がいい!
やってもみずに、「これが答えだ!何でわからない?」というのは間違っている。
これから先の、「今はない職業に就く」のに、今ある教育では追いつけない。
分からないは無駄ではなく、何でもやってみる。
大切な事を忘れていた。
そもそも出雲さんが「ミドリムシ」の研究を始めた理由が、海外で見た「飢餓に苦しむ子どもたちを助けたい!」という気持ちからだそうだ。
本当に面白いお話だった。
息子も隙あらば、「生き物捕獲」に出かけて行く。
その内、自分の中で何かを発見するかもしれない・・・もう少し待ってみよう。