御茶ノ水カレッジの「伊藤潤先生」の講演会に行った。②
大学進学実績、東大の合格実績を見ると、中高一貫校が多数を占めていて、有利な事が伺える。
理由としては、5年間で高3までの勉強を終えて、高3の1年間を「大学受験勉強」に当てられるからだ。
中高一貫校の高3は「予備校」のような授業となる。
「公立高校に行くなら、4年をみる」(1年は浪人する)というのも、こういう事だ。
中学受験のメリット
- 試験一発勝負
- 大学進学に有利な仕組みがある
- 教科書に縛られないため、入試問題に考えされられる良問が多い
- 一貫校には「色」があり、それを選ぶことができる→私立はカラーが強いので、子どもが育ってほしい姿を考えて学校を選べる→公立はカラーを出せない
- 文科省のカリキュラムを超えた勉強で成長できる
- 自分と合う仲間と中高時代を一緒に過ごせる
- 2020年の大学入試改革に対応しやすいと言われている
- 塾は多くの子にとって学校の勉強より楽しい→私はその子によると思うし、塾にもよると思う
中学受験のデメリット
- 中学受験が「魔界化」している←伊藤先生の表現。どんどん勉強量が増えている。新しい解法のいたちごっこ
- 小学生時代に多量の勉強(やりたい事との両立が難しい)→スポーツや音楽など
- 親のサポート競争(親の狂気が発動されやすい)→受け身になりやすい
言われた通りにするので、自分で考えられない子になりやすい
親が勉強を見るので、ブラックボックス化し、教育虐待になるケースも
- 成長過程での競争である
- 学費が公立の3倍
●実際に子どもを殴って勉強させるお母さんもいる。

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中学受験をさせたい理由
通わせたい学校がある
- 特色のある教育が受けられるから
- 実力ある良い先生が多いから→「個性的な子」の場合、それを認めてくれる先生がいる可能性は「私立」の方が高い
- 自分が私立出身でよかったと思っているから
高校受験より中学受験をさせたいから
- 内申重視の高校受験に向いていないから→うちは正にこれだった
- 地元の公立中学に通わせたくないから
- ゆとりを持って6年間過ごせるから
中学受験をしないならその理由を明確に持っておく事!
- ママ友や子どもの友だち周りの影響を受けて、突然「受験」を始める家庭もある
5~6年生になると、周りの友だちが「塾」に行ってしまい、遊ぶ子がいなくなる。
そんな時に「私も受験しようかな。」という子がでてくるそうだ。
周りのみんながやるから「私も」という受験は危険。
子どもが「私も」と言った時「なぜ、うちは受験しないか」の理由を明確に説明できる準備をしておく必要がある。
高校受験
メリット
- 小学生時代をゆっくり過ごせる
- 「100%自分で決められる受験」にする事ができる→15歳で経験するため、自分の意思での「受験」になりやすい。
- 中学を多様性のある環境で過ごすため、骨太に育つ
デメリット
- 受験体制が私立並みに整っている学校が少ない→校区の中学生も通っている個別塾に行った時、うちの校区の中学校は「内申点も取りにくいし、高校受験に意欲的ではないし、クラスによっては学級崩壊が起きている」と聞いた
- 校則がゆるく面倒見がいいとは言えない事も「脱線」のリスクやいじめが深刻化しやすい→いじめは「私立」にだってある。対応は学校によりけり
- 一貫校に比べて高校受験で分断されるものがある、部活、勉強、様々な経験等
- 15歳は受験に向いていない、勉強の価値観が低い、自己肯定感が低い、スマホやゲーム、YouTube漬けになっている→現在、スマホを持っていない中学生はほとんどおらず、スマホを持ち始めてから2年以上経っている子たちが、「受験だから」と言って、なかなかスマホの時間を短縮した生活が難しくなっているし、反抗期で「俺、好きな事する」と言ってずっとゲームをしたりするらしい。
今の時代、スマホによって、高校受験に向いている子も少なくなっている。
中3も教えている、伊藤先生が目の当たりにした現実。
どちらの受験を選ぶか
受験に向き、不向きはない
「中学受験に向いていない子が9割」
以前、「花まる学習会」の高濱先生は、6年生の夏休み明けで、自分の事が自分でできない子は幼いので「高校受験向き」だとおっしゃっていた。
でも、実際に6年生を見るとわかるが、みんな幼い。
「向いている子なんてほとんどいない」というのが実感だった。
ただ、「スケジュール管理だけは親がしてください」ともおっしゃっていた。
「大人度」について
- 6年生で判断→低学年の忘れ物、失くし物は当たり前
- 「大人度」が高い子は高校受験でも有利
- 「大人度」が低いが算数が出来る子はいる(そういう子は整理整頓が苦手だったりする傾向も)
- 「大人度」がないから、手厚い私学が適している子もいる
向く・向かないよりも「なぜ受験をさせたいのか?」が大切
→親が受けさせたい教育を考えて「させる・させない」を判断
子どもに向く受験になるよう「塾」を選ぶ
そして「させる」となっても通わせてみて最後子どもに判断させる
- 「経済的負担」 受験だけで4年生から6年生までで250万→実際はもっと掛かると思う。例えば別塾を足したり、模試を受けたり、テキストを買ったり。「なんとか講習やなんとか特訓」も山ほどある・・・
- 「今どのような経験をさせたいか」→撤退する準備を持つ→1度「受験する」と決めて、塾に通わせて、掛かった時間と労力、金額を考えると「撤退する」というのは本当に難しいと思う。一度始めると抜けられないと思った方がいい。
↓ 上に書いた「なんとか講習」や、「なんとか特訓」の具体的な金額まで出ていてわかりやすい。
そして、秋以降、みんなが勉強し始めるので成績は上がらない・・・
勇気を持ってやめる事も幸せな受験の一つの形
- 「どちらの受験が子ども(の成長)にふさわしいか」
- 「通わせたい学校があるか」
- 「中学受験するなら「親の狂気」をコントロールできるか」→子どもが思うように勉強しない、成績が上がらない等、子どもも辛いけど、親も辛いです。なかなか冷静さを保てなくなる場合があります。
「受験」をやめた人は、子どもが勉強、勉強で壊れてしまい継続不可能になった人や、親が望んだ受験で、子ども本人は「受験」を希望しておらず全くやる気がない場合や、上の子と比べて「この子は違うな」と親が冷静に判断出来た場合等かな。
やるとなったら、親の思いを伝え、4年生から塾に通ってみる→5年生になった時、続けたいかを子どもに判断させる
子どもへの確認は、何度かやってみる事。
ただ、個人的には「中学受験」はオススメしたいです。
↓ 中学生編。