入試問題は血と汗と涙の結晶。
「本郷中学」の 木村友彦先生の講演会。
入試問題のお話だった。
「受験生」は「作問者の読解の視点」というフィルターの存在を意識する必要がある。
→作問者の観点を知り、読解と解答の戦略を練る。
この日、木村先生が紹介してくださったのが「三浦しをん 風が強く吹いている(2015年度 本郷中学 第三回入試問題)」と「森 絵都 みかづき (2018年度 本郷高校一般入試問題)」の2つ。
2つの文章の共通点は
●ある人物とある人物の出会いによって、新たな物語が始まる。
●新しい価値観の創造が描かれる。
●群像劇として巧妙に構築されている。
●登場人物が巧みに造形されている。
記述問題
●問題文の全体性とヤマ場を問う事が多い。
●結果として作品全体の重要なポイントとつながるところを問う事が多くなる傾向がある。
読解の視点
●部分から全体へ
●全体から部分へ
往復の思考・読解力が必要。
中学入試、高校入試問題では、同じ文章でも、視点が違う場合がある。
(母から見た視点、子から見た視点など。)
作問者は、
論文を一本仕上げるつもりで「入試問題」を作っている。
それには勉強して、常に新しい文章を読み「これは?」「これは?」と考えていなければなららない。
良質な入試問題の条件→出題者である学校が目指すべきもの
●入選抜のツールとして必要十分に機能すること。(あくまで私見)
●入試問題として抜粋された部分を読み、問だを解いた結果、作品全体を読みたくなる衝動を感じる人がいること。→作問者の力量による
学校は
「この問題を解いて入ってきてもらいたい!!」と思っている。
木村先生は
「入試問題は、各学校の血と汗と涙の結晶である」とおっしゃった。
それを「入試問題演習という点数を出すためだけの消費材料ではなく、教育・文化・研究資源として活用できないか?」と考えていらっしゃるそう。
親子で問題を読み解く事によって、学校が「何を問いたいのか?」を考え、それが学校選びの指針ともなりうる。
入試問題を親子で解いてみる→読解の違いを親子で話し合う。
時代によって「要求される学力」は違う。
中学入試で「学力」をつける。→落ちても次の6年間でどの様な目を積んでいけるのか。
保護者が「入試問題を解く楽しみ」を紹介してくださった。
●この中学校の作問者は、この小説の、この場面の何を問いたいのだろう?
●この中学校の作問者は、この小説の、この場面から何を受験生に読みとってほしいのか?
●「作者」と「作問者」のメッセージを読みとる姿勢といかに読み、答えるかという姿勢の必要性。
●解答例と自分の読解の違いは何か?
●お子さんと自分の読解の違いは何か?→保護者と子どもの共同作業
●小説を「読む」という一つの行為で結びつく、「作者」と「作問者」と「受験生」
●「受験生」の背景には「保護者」「塾の先生」という大人の存在と、歴史の存在がある。
まずは親子で一緒に解いてみよう。
↓ まもなく発売。
家でできること。
低学年のうちにやっておくもの
音読と、原稿用紙に試写させること。
これで読解力がつく。→「花まる学習会」では「あさがお」という転写教材がある。さすが!
小3~小4あたり
「ズッコケ三人組」などのシリーズ物を1週間に1冊読むことを習慣づける。
小5~小6
塾の問題を音読、試写、読解させる
確実に周りにない物をイメージするには?
悲しい物語→母と共有する。
塾の問題文を母と話し合う→何でこの問題文なんだろうね?を考える
親子で共感、共有する。
図鑑しか読まない子→その図鑑を解説した文章を読ませてみる
↓ 中学生編。