「お母さんのための教養講座」小説問題の取り組み方。
小説問題の取り組み方
小説問題の読み方・解き方の指標
小説は自分の感性によって読むもの?→小説の中にはある文章を「小説」として成立させるための論理構造があり、その論理構造を無視した「読み」は、読者のでたらめな読み方でしかない。
入試の小説問題は、読者の「解釈」や「鑑賞」に至る前の段階で必要となる、読者個人の「解釈」や「鑑賞」を成立させるための前提条件、いわば「読み」の(=個人の「読み」を成立させるために必要な論理構造に立脚した事項)を問うている。
あなたはどう思いますか?の前の「前提構造」が問われる。
時に、論理構造を元にした蓋然性から推定できる事「ありうること」を問うこともあるが、問題としての精度は落ちる。
ありうること→どういう可能性が考えられますか?と問われるもの。選択肢問題にするか、許容解を広くとる。
小説のどのような部分が問題文となる事が多いのか?→問題文として適当なものは「問題を作ることが可能なもの」としての条件がある。
- 登場人物が複数であり、お互いが何らかの人間関係を持っていること。
- 時系列がある程度の複雑さを持っていること。
- 登場人物の台詞だけではなく、台詞を支える描写があること。
- 登場人物の心情表現があること。そしてその心情表現が振幅をもっていること。→情景描写で心情表現されている。
- 登場人物の対立感情が同時に存在している状態が描きこまれていること。
- 出来事・事実の羅列ではなく、出来事・事実の因果関係が描きこまれていること。「ストーリーとプロット(出来事の因果関係)が問題文の中で把握できること。→把握することが難しい場合は「前書き」「リード文」が入る。プロットは必ず押さえておく。
- 情景・風景描写が何らかの形で登場人物の心情表現とつながっていること。
- ストーリー展開は「起承転結」などの類型化のものでなく、心情表現と同様に振幅や停滞があり、予定調和の話型に還元できないものが多い。→単純ではなくなった。
問題文を読む際に注意すべきこと。
- 「前書き」「リード文」をしっかり読むこと。
- 一人称小説か、三人称の客観小説かの携帯を見極める。
- 登場人物の人物造形を把握する。
- 語り手の位相に注意する。→語り手は全知の視点か、登場人物の1人か。
- 描かれている状況、5W1Hを把握する。→いつ、どこで、誰が、何を?
- 登場人物の心情表現をマークする。対立感情が同時に存在している状態を特に注意する。
- 出来事、事実の因果関係を把握する。
- 比喩表現とその種類に注意する。
- 情景・風景描写に注意する。
- 問題文の中でのストーリー展開の山場をおさえる。心情表現がが集中することが多く、設問のポイントとなることが多い。→山場は重要なので問題文となることが多い。
解答する際に注意すること。
- 最後の質問をざっと読んで、問題の方向性を掴む。→全体に関わるヒントとなる場合がある。
- 語句として「書いてある」「書いてない」という次元だけで考えると間違えるように選択肢は作られている。問題文中に書かれている複数の情報を統御し、選択肢の表現と対応させる。
- 選択肢どおしの共通部分と差異を問題文の情報と照らし合わせて、正解選択肢を探す。
- 選択肢消去に対する視点→作問の際、正解1つをずらして作って行く。
①正解の必要条件の欠如
②対比のキーワードの入れ替え
③プラス評価とマイナス評価の入れ替え
④論点、心情の先取り、後戻り
⑤勝手な限定、勝手な一般化(問題文で述べられている内容からの逸脱)に注意
⑥極端な表現(すべて、いつも、誰も、必ず~、まったく~ない)や強い限定のことば(~のみ、しか、だけ)には注意する。→言いすぎパターンに注意。
⑦因果の逆転、でっち上げに注意(選択肢文中の「ので」「から」「ため」に特に注意する必要あり)
⑧事実判断と価値判断をすりかえた選択肢ではないか注意する。
(例)「~ない」→「~てはならない」、「~である」→「~べきだ」
リード文にはヒントが隠されいる場合がある。
「記述問題」は完成させれば、部分点がもらえるので、書ききろう。
これらを全て理解できる子は、自分で考えられる子だろうな・・・と思いました。
これをどう訓練、練習できるか?に掛かってるのかな?
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↓ 中学生編。